Disease
当院でできる治療
肝機能障害
肝機能障害には様々な種類と原因があります。代表的なものとして、脂肪肝やウイルス性肝炎があります。脂肪肝は過剰な飲食や肥満などによって肝臓に脂肪が蓄積されることで引き起こされます。これにより、肝臓の正常な機能が妨げられ、炎症や線維化が進行することがあります。
幹細胞は、肝臓の組織修復や線維化の緩和に効果があり、肝機能の回復を促進することが期待されています。多くの臨床試験が進行中であり、その効果が注目されています。
肝機能障害の幹細胞治療で
期待できる効果
幹細胞は肝臓の損傷部分に遊走し、肝細胞に分化して組織を修復します。そして、肝臓に蓄積した脂肪の分解を助け、線維化を緩和することも期待されています。
また、幹細胞治療は炎症を抑制する効果も持っています。幹細胞は、免疫反応を調整する物質であるサイトカインを放出し、炎症を和らげることで、肝臓の健康を促進します。これは特に脂肪肝や肝硬変といった疾患において有効であり、幹細胞治療はこれらの疾患に対する新しいアプローチを提供します。
顔面変性疾患・皮膚再生
顔面変性疾患とは、顔面の真皮や皮下脂肪が委縮することにより顔面の一部が凹んで変形してしまう症状で、ロンバーグ病(進行性顔面片側萎縮症)や膠原病が原因となって発症します。顔面変性疾患の従来の治療法として、患者本人から採取した脂肪組織を移植するという方法が一般的ですが、移植した脂肪はうまく定着せず、治療の効果が長続きしないことが問題となっていました。
幹細胞を投与することで、移植した脂肪の定着率を高めるので、脂肪ならではの柔らかく温かい自然にふっくらした仕上がりが期待できます。
顔面変性疾患・皮膚再生の
幹細胞治療で期待できる効果
先に患者様自身から採取した脂肪組織の移植を行ってから幹細胞の投与を行うことで、血管形成を促進する因子を分泌する能力によって血管形成を促進し、移植した脂肪組織の定着率を高める効果があります。
慢性疼痛
慢性疼痛とは、3ヶ月以上続く痛みを指します。腰痛、肩こり、神経痛など、様々な種類の慢性疼痛があります。
慢性疼痛は、日常生活に支障をきたしたり、QOL(生活の質)を低下させたりするなど、大きな問題となります。
自己修復能力や組織再生能力を持つ幹細胞を投与することで、組織の修復や神経機能の改善、炎症の抑制などが期待されています。
慢性疼痛の幹細胞治療で
期待できる効果
幹細胞の自己修復能力や組織再生能力により、組織の修復や神経機能の改善、炎症の抑制がされることで、慢性疼痛の症状の改善を目指します。
幹細胞は局所麻酔による痛みのある部位への注射のほか、点滴で静脈投与ができます。
慢性疼痛が緩和していくことで、運動機能や日常生活動作が改善されることが期待でき、服用している鎮痛薬の減量や中止が可能になる場合があります。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、加齢や体重増加、運動過多などが原因で、膝関節の軟骨がすり減り、骨が変形することで起こる病気です。主な症状は、膝の痛み、こわばり、変形などです。進行すると、歩行困難や日常生活動作の制限につながることもあります。
ヒアルロン酸注射などの治療が一般的ですが、手術以外に根本的な治療はありませんでしたが、膝関節内に幹細胞を投与することで、軟骨の再生や痛み・炎症の改善が期待されるということで、幹細胞による再生医療が注目を集めています。
変形性膝関節症の幹細胞治療で
期待できる効果
幹細胞が軟骨細胞に成長・分化することで、すり減った軟骨を修復することが期待できます。また、炎症を抑える効果があることから、膝の痛みの改善にもつながります。
軟骨の再生と痛み・炎症の改善により、膝の動きが改善し、日常生活動作が楽になることが期待できます。
脳血管障害(脳卒中)
脳血管障害の幹細胞治療は、患者様自身の脂肪組織から採取・培養した幹細胞を静脈内点滴投与する することで、脳卒中によって傷ついた血管や神経の修復を行う治療法です。
脳卒中になると、脳の組織が損傷し、麻痺や言語障害、感覚障害などの後遺症が残る可能性があります。
幹細胞治療は、これらの損傷した組織を修復し、機能回復を促すことが期待されます。
脳血管障害の幹細胞治療で
期待できる効果
幹細胞は、損傷した脳神経細胞に代わって新しい神経を含む多様な細胞へと分化することができる能力がり、脳神経細胞の修復および再生のほか、新しい血管を生成し、脳への血流を改善することができると考えられています。
脳神経細胞と脳血管の修復・再生によって、脳卒中によって生じていた麻痺や言語障害、感覚障害などの後遺症の改善が期待できます。
さらに、脳血管の再生や脳卒中の原因になる可能性のある血管を予防的に修復しより、脳卒中の再発を予防することが期待できます。
神経変性疾患(パーキンソン病)
パーキンソン病は神経変性疾患の一つで、主に動作に関する症状が特徴的です。
主な症状には振戦(手や足の震え)、筋肉の硬直(リジディティ)、運動の遅れ(運動緩慢)、姿勢の不安定性があります。進行するにつれて日常生活に支障をきたすほどの運動障害に発展します。これらの症状は、中脳のドーパミン神経細胞が減少することに起因しています。
パーキンソン病に対する幹細胞治療は、神経細胞の喪失を補うための新たなアプローチとして注目されています。
パーキンソン病の幹細胞治療で
期待できる効果
幹細胞を静脈に点滴で投与し、パーキンソン病で喧嘩した神経細胞を幹細胞が分化した健康な細胞に置き換わることで、ドーパミンを放出する細胞になることで改善されると期待されます。
また、静脈内投与された幹細胞は、炎症を抑える物質を増加させることから、神経細胞が病気の進行で炎症反応することを抑制するメリットもあります。
脊髄損傷
脊髄は脳と体を繋ぐ神経の束であり、運動や感覚に関わる重要な役割を担っています。その脊髄が交通事故や転落などによって損傷を受けると、手や足の運動麻痺や感覚障害、自律神経障害、排尿・排便機能障害などの症状が現れます。
こうした脊髄損傷による中枢神経障害のある患者様に幹細胞を投与することで、神経再生や血管新生がされ、機能回復が期待できる治療です。
幹細胞による再生医療によって、脊髄損傷の後遺症が改善した症例が多く報告されています。
脊髄損傷の幹細胞治療で
期待できる効果
幹細胞は、傷ついた神経細胞に代わり、新しい神経細胞を含む多様な細胞へと分化することができる能力を持つことから、神経細胞の修復や血管の新生による血流改善により、脊髄損傷による麻痺や言語障害、感覚障害などの後遺症の改善が期待できます。
また、幹細胞は炎症を抑える物質を分泌することから、炎症を抑えて症状の悪化を防ぐ効果が期待できます。
神経変性疾患(アルツハイマー型)
アルツハイマー型認知症は、世界中で増加している深刻な神経変性疾患のひとつです。脳の神経細胞が減少し、記憶障害や認知機能の低下を引き起こします。現在も多くの研究が進行中であり、新しい治療法の開発が急がれています。
そのような中、幹細胞の持つ再生能力を利用し、神経細胞の再生や修復を促進する間葉系幹細胞が有望視されており、幹細胞治療がアルツハイマー型認知症の治療に新しい可能性をもたらすことが期待されています。
アルツハイマー型認知症の
幹細胞治療で期待できる効果
脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた治療では、神経細胞の修復や再生が促進され、認知機能の改善が見られることが明らかになっています。この細胞治療は、現行の薬物治療では限界がある症状の進行を効果的に抑制する可能性があります。
神経細胞の再生、血管新生による血流の改善などの効果により、認知機能の改善や日常生活動作能力の維持、脳萎縮の進行抑制といった効果が期待できます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の主な症状は、強い痒み、皮膚の発赤、乾燥、そして湿疹です。これらの症状は通常、関節の内側、顔、首、そして手足に多く現れます。特に夜間に痒みがひどくなることが多く、睡眠の質を妨げ、日常生活に支障をきたすことがあります。また、かきむしることで皮膚が傷つき、さらなる感染や炎症を引き起こすこともあります。
幹細胞治療は、アトピー性皮膚炎への対症療法ではなく根本的な原因治療に近い効果の可能性があります。
アトピー性皮膚炎の
幹細胞治療で期待できる効果
幹細胞が体内に投与されると、成長因子やサイトカイン、エクソソームといった再生や修復に不可欠な成分を分泌します。これらの成分が皮膚のバリア機能を修復し、炎症を抑制することで、アトピー性皮膚炎の症状を改善させるのです。
さらに、幹細胞は免疫系の調節にも寄与し、炎症を引き起こすサイトカインの出現を抑えます。その結果、痒みや炎症が軽減され、患者の生活の質が向上することが期待されます。
関節リウマチ
関節リウマチは生活習慣、先天的な遺伝要因、感染症による免疫系の作用が原因といわれていて、自分自身の免疫が手足の関節を侵すことにより、関節の痛み、関節の変形が生じる疾患です。関節リウマチの治療は、昔の痛みを止めるだけの治療から、進行をくい止め、寛解を目指す治療へと大きく進歩してきましたが、既に関節の変形など進行してしまった方などは、手術しかありませんでした。
幹細胞治療は、関節機能の再生とそれに必要な細胞の再生が期待できるものとして注目されています。
関節リウマチの幹細胞治療で
期待できる効果
従来の薬物療法が主に炎症の抑制や痛みの軽減を目指すのに対し、幹細胞治療は炎症の抑制に加え、損傷した軟骨の再生を促す点でて大きな可能性を持っており、幹細胞治療はリウマチ・膠原病の症状軽減と生活の質向上に寄与することが期待されます。
幹細胞治療は、免疫系の調節、組織修復、および血管新生など多岐にわたる効果が確認されており、リウマチを対象にした実際の臨床試験でも、関節の痛み軽減、炎症の抑制、機能回復が確認されています。
コロナ後遺症
新型コロナウィルス罹患後に強い倦怠感、長期の微熱、息苦しさ、咳、味覚・嗅覚障害、抜け毛、集中力の低下など様々な症状が少なくとも2カ月以上持続します。
また、他の疾患による症状として説明がつかないものをコロナ後遺症と言いますが、この治療にも幹細胞治療が効果が認められると注目されています。
コロナウィルス後遺症に
幹細胞治療で期待できる効果
幹細胞が傷ついた部位に集まろうとするホーミング効果を利用し、幹細胞を点滴で体内に投与することで全身にいきわたり、コロナウイルスに攻撃された組織の修復をすることで症状が緩和されると考えられ、また、幹細胞の抗炎症性サイトか院が慢性炎症状態を抑制し、免疫バランスを取り戻すことで改善が期待できます。
クローン病
クローン病は、小腸や大腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍を引き起こし、特に若年者に多く見られる疾患です。消化器の炎症性腸疾患(IBD)の一種であり、口腔から肛門までの任意の部位に炎症が生じる特徴を持っています。そのため、クローン病は指定難病として認識されており、罹患患者の生活の質を大きく損なうことが多いです。
近年、幹細胞治療がクローン病に対する有望な治療法として注目されています。特に間葉系幹細胞(MSC)は、その免疫制御能や組織修復・再生能により、炎症の軽減や組織の再生に効果があるとされています。
クローン病に幹細胞治療で
期待できる効果
クローン病には、免疫抑制剤や生物学的製剤が用いられていますが、効果が限定的であるため、新たな治療法の開発が求められています。
幹細胞治療はその新たな治療法の一つとして注目されおり、世界各地で実施されている治験では、羊膜間葉系幹細胞(羊膜MSC)を用いたクローン病治療が行われており、その有効性と安全性が確認されています。
クローン病による腸炎の回復や急性期の増悪の抑制に効果が期待できます。